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[めいてつローカーボ生活] 医師 灰本先生のコラム 12

開催中

灰本・渡邉監修「医師が実践するおいしい糖質オフ レシピ 216」の発刊

今回は肥満パラドックスの話題を一休みして、わたしたちが監修したレシピ集が7月中旬に出版されたので紹介します。

わたしたちNPO法人日本ローカーボ食研究会は主に医師、管理栄養士向けの啓蒙活動と臨床研究を行って海外の医学専門誌へ発表しながら、安全で効果的なゆるやかな糖質制限食を確立することが主な役割です。ですから、一般向けの活動はこの「名鉄百貨店ローカーボ生活」が初めてでした。これまで医療関係者向けの啓蒙書を出版してはいましたが、一般向けのレシピ集には縁がありませんでした。しかし、類書は多々あるにせよ、科学的なセンスと実力を備えた医師が監修したレシピ集は一つもなく、当然、海外の糖質制限食の現状も踏まえておらず科学的にも相当にずれたものばかりでした。NPOに参加する医師・管理栄養士や患者さんからも、わたしたち独自のレシピ集の出版を求める声は以前からありました。今回、東京の出版社から監修の依頼があり、「医師が実践するおいしい糖質オフ レシピ 216」をわたしと当院の管理栄養士 渡邉志帆さんで監修し、出版の運びとなりました。

一般的に食品や栄養関連の書籍は「○○で××病が治る」「3か月で10㎏やせる△△食事療法」に代表されるような素人臭い、うさんくさいハウツーものがほとんどです。編集者もそのような歴史のなかで仕事をしてきた方で、この出版の意図も類書と同じく糖質制限食によって健康的に痩せることでした。わたしは本書を科学的データに裏付けられたレシピ集にするために、編集にあたって強力な枠を編集者にはめ込み、それを守らないときは監修を直ちに打ち切る約束を取り付けました。それは、①決して類書の真似をしないこと、②10年たっても科学的に嘘がない内容とすること、③糖質制限食の弱点を逃げないで記載すること、④肥満パラドックスのデータをしっかり入れること(痩せは早死)、⑤糖質を減らしたエネルギー分(カロリー)の脂質摂取を増やす工夫を随所に記載することでした。

糖質制限食を薦めながらもその弱点である厳しい制限を長く続けると癌死が増えることをハーバード大学の研究論文のグラフを入れて説明する、このような科学的な方法を採用することに編集者は経験がありませんでした。また、痩せるのが目的なのに「男でBMIが23未満、女では21未満は痩せすぎなので糖質制限食を薦めない」という禁止項目を入れるのも前代未聞でした。さらに、編集者は糖質をゆるやかに制限すればそれですべてが解決と思っていたのですが、脂肪をたくさん摂取する食事療法であるのも知りませんでした。大さじで一日1.5から4さじ(20~60cc)も脂肪摂取を増やすと聞いて仰天していました。いずれも編集者の予想を遙かに超えた科学的事実ばかりだったのです。このような反応は編集者だけではなく一般の人も糖質制限食を知らない医師や管理栄養士もほぼ同じでしょう。そのような理由で編集過程はすんなりとは行かず苦労の連続でした。

糖質制限食とはゆるやかであろうと厳しかろうと糖質を制限した分のエネルギーを脂肪をたくさん食べることによって補う食事療法なのです。わたしは海外に論文を書くとき「low-carbohydrate diet(低い炭水化物の食事)」のタイトルを使いますが、海外の多くの研究者は「high-fat diet(多い脂肪の食事)」のタイトルを使っています。すでにこのコラムでも話題に取り上げましたが、脂質摂取が多いほど死亡リスクが減るという岐阜大学高山研究(高山市の2.8万人を16年間追跡した研究)のグラフも本書に掲載しました。油をたくさん食べるのは健康によいことを編集者や読者に納得してもらうためです。そして、実際に多くのメニューに「脂質をオンのポイント」を入れて上手に脂質摂取を増やす工夫をちりばめました。


本書を読むときのポイントは、
1)巻頭に書いてある糖質制限食の基本をしっかり読むこと。
2)夕食で糖質を制限して、糖尿病ではない人ではその制限量を-50g~-100gとすること(例:男の茶碗一杯のごはんに糖質は55g含まれる)。
3)一日の糖質摂取量の下限を200gとし、それ以下には制限しないこと。
4)各メニューの油の量、たとえば二人前で大さじ2~4と記載があれば、かならず多い量の4さじ使うこと。
5)夕食で糖質を制限し、それを補う脂質量を少なくとも大さじ1.5~2さじ増やすこと。
6)脂質を増やすときは糖質を制限したときに限ること。
7)油の種類は料理に合ったものを選択すること。昨今オリーブオイルがはやっていますが、オリーブオイルは洋食のみに使い、中華料理や和食にはサラダ油やごま油を使うべきです。動物性脂肪を使ってもOKです。


「医師が実践するおいしい糖質オフ レシピ 216」は西東社から発刊、191ページ、1,400円、きれいな料理写真が満載してあるので割安です。
皆様の一家に一冊、ぜひ常備していただけるとうれしいです。


コラム著者 灰本 元 氏 (はいもと はじめ)

医師、灰本クリニック院長、NPO法人日本ローカーボ食研究会代表理事
1953年山口県生まれ。1978年名古屋大学医学部卒業。関東逓信病院(現 NTT東関東病院)内科レジデント、名古屋大学医学部大学院(病理学)、愛知県がんセンター研究所病理部、中頭病院内科(沖縄市)などを経て、1991年に愛知県春日井市に灰本クリニックを開業。診療の特徴は高血圧、糖尿病、ローカーボ食、癌の診断、漢方医学など。

NPO法人日本ローカーボ食研究会は、ローカーボ(糖質制限、低炭水化物)食による糖尿病・メタボリック症候群の治療を安全に、そして有効に実施する為に2011年3月に灰本氏を中心に設立されました。ローカーボ食の科学的な研究、海外文献の紹介、定期的な研究会開催などを行い、それを基に医療機関だけでなく食品・健康機器関連会社、製薬会社、一般の患者さんへ啓蒙と普及を目的としています。ローカーボ食の有効性だけでなく弱点や課題も含めた総合的な科学情報を提供します。現在、東海地方を中心に10の病院・クリニック等が協賛医療機関として登録しています。

灰本クリニック
http://www.haimoto-clinic.com/

日本ローカーボ食研究会
http://low-carbo-diet.com/


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