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[めいてつローカーボ生活] 医師 灰本先生のコラム 6

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体重減量にローカーボ食とカロリー制限食はどちらが有効か? その2

今回のコラムは体重減量にローカーボとカロリー制限食はどちらがすぐれているかについてたくさんの海外論文と私たちの研究結果をまとめてみました。

ローカーボ不利な条件でのカロリー制限食との対決結果

ローカーボでは糖質摂取を制限しますが、脂質摂取をまったく制限しません。脂質を制限しないということは、すなわちカロリーもまったく制限しません。ところが、世界の研究方法はカロリー制限食の土俵の上でローカーボと優劣を競う方法を採用しているのです。たとえるとレスラー・ローカーボが相撲力士・カロリー山と土俵の上で相撲のルールで戦うようなもので、本来ならばレスラー・ローカーボに勝ち目はありません。

ところが、このような過酷な条件下でもレスラー・ローカーボは負けてはいません。世界中の研究をまとめた報告によると、(1)体重減量では差がない。(2)血液の中性脂肪と善玉コレステロール値の改善はローカーボが優れている。(3)カロリー制限食が唯一勝てたのは、その人がそれまで続けてきた食事(カロリーも糖質も脂質も制限しない)だけでした。

詳しく説明すると、わたしたちが1日1400kcalのカロリー制限食を指導するとき、日本人の平均1850kcalから450kcalも減らすことになるので、それを達成するためには脂質摂取を減らすだけでなく必然的に糖質も制限せざるをえません。つまり、カロリー制限食はゆるやかなローカーボと同じになってしまうのです。一方、日本人の平均値1850kcalでカロリー制限食とローカーボと比較すると結果はまったく違ったものとなります。つまり、ローカーボのルールでローカーボとカロリー制限食が対決すると、ローカーボは体重減量でも血液の中性脂肪、コレステロールそれに血糖値でもすべてでカロリー制限食より優れている結果となります。


減量についての私たちの研究

体重に関する私たちの研究結果を紹介してみます。

(1)悪名高き内臓脂肪について男性では糖質を減らせば減らすほど内臓脂肪が減りますが、女性では糖質制限をがんばっても内臓脂肪は減りませんでした。ローカーボの効果については男女差があるようです。

(2)カロリー制限食でも体重は十分に減りますが、糖質制限食の方が短期間に急激に減ることがわかりました。上記の二つは研究論文として海外専門誌へすでに掲載されています。

(3)ローカーボはやせ(BMI<20)や小太り(BMIで24~28)では減量効果にすぐれているが、高度な肥満(BMI>30)では効果は得にくい。つまり、やせ気味の方はさらにやせるが、肥満の方はやせにくいという特徴があります。

(3)についてはNPO法人日本ローカーボ食研究会の医師仲間は共通にそのような印象を持っていますが、科学的な検証が必要です。


長期にわたって続けるときはゆるやかな糖質制限を

以上の無作為化比較試験はせいぜい2年以内の短期的な結果ですが、この方法を用いて10年、20年の長期間の研究は不可能です。その理由は最初に述べたとおりです。

長く続けたときにどうなるかは、10万人の一般住民(いろいろな食事療法をしている人もおれ ば無頓着な人もいる)を20年間追跡してそれぞれの糖質摂取量と死亡リスクを調べた研究(観察研究といいます)に答えを求めるしかありません。そのような研究は海外にたくさんあります。短期間の無作為化比較試験は体重、血清脂質、血糖値の改善が目標でしたが、長期の観察研究は総死亡リスクや死因別リスクが目的となります。癌、肺炎、脳心血管死などすべての死因でみると、糖質を制限しすぎると(3食すべてを制限、2食を制限)、糖質を制限すればするほど死亡リスクは高くなり、特に癌死が増えることが明らかとなっています。

ですから、短期間には厳しいローカーボを実行してもよいのですが、長期間続けるならせいぜい夕食だけのゆるやかなローカーボをお薦めします。


コラム著者 灰本 元 氏 (はいもと はじめ)

医師、灰本クリニック院長、NPO法人日本ローカーボ食研究会代表理事
1953年山口県生まれ。1978年名古屋大学医学部卒業。関東逓信病院(現 NTT東関東病院)内科レジデント、名古屋大学医学部大学院(病理学)、愛知県がんセンター研究所病理部、中頭病院内科(沖縄市)などを経て、1991年に愛知県春日井市に灰本クリニックを開業。診療の特徴は高血圧、糖尿病、ローカーボ食、癌の診断、漢方医学など。

NPO法人日本ローカーボ食研究会は、ローカーボ(糖質制限、低炭水化物)食による糖尿病・メタボリック症候群の治療を安全に、そして有効に実施する為に2011年3月に灰本氏を中心に設立されました。ローカーボ食の科学的な研究、海外文献の紹介、定期的な研究会開催などを行い、それを基に医療機関だけでなく食品・健康機器関連会社、製薬会社、一般の患者さんへ啓蒙と普及を目的としています。ローカーボ食の有効性だけでなく弱点や課題も含めた総合的な科学情報を提供します。現在、東海地方を中心に10の病院・クリニック等が協賛医療機関として登録しています。

灰本クリニック
http://www.haimoto-clinic.com/

日本ローカーボ食研究会
http://low-carbo-diet.com/


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